ゼロの使い魔 ハルケギニア南船北竜
あとがき


 ここまでお読みいただいた皆様、本当にありがとうございます。

 色々とありましたが、なんとかここまで来ることが出来ました。
 本作「ハルケギニア南船北竜」はこれにて完結です。
 続きは「ハルケギニア####」(2011/04/20現在題名未定)をお待ち下さい。

 本来この南船北竜は、身内の極一部に向けて書いていたもので、それも読まれること前提ではなく、「ああ、まだ生きてるか」「おっさんまた何かやってるな」と認識して貰うためのものでした。ブログの更新が滞って広告が出ていたことも後押しになったかも知れません。
 でも、いつの間にか書くことが楽しくなって行ったことも事実です。

 目次にも書き入れていますが、「ゼロの使い魔」「オリ主転生」「わらしべ長者」のお題通りに書ききること、これを最大の目標にしていました。

 このお題を決めるときに幾らか迷ったことがあります。
 最初にオリジナルか二次創作かで迷い、幾らか考えた末にゼロの使い魔の二次創作に決めました。配信中に口に出してしまったせいでもありますが、割と好んで読むSSリストの中にゼロの使い魔が多かった影響でもあります。
 オリ主転生は、憑依や逆行、再構成などと共にSS界の中でも大きな潮流の一つですし、これまでに書いたことのなかった種類の話なのでこれに決めました。
 残りのお題はランダムの方が良いかと、カタログ開いてえいやで選んだスレがわらしべの話だったので、本来の意味でそのまま取り入れました。このあたり、割といい加減です。

 それから。
 ゼロの使い魔に決めたが、さて、どういう主人公にしようか?
 これを考えて使えそうなキャラとして引っぱり出してきたのが、大昔に書いていたファンタジー小説のヒロインでした。

【名前】 マリー・ブランシュ・ド・ラ・クラルテ
【通名】 マリー/お嬢様
【身長】 152センチ
【年齢】 14歳
【髪型】 金髪ロング、軽いウェーブ
【容姿】 細面、くりくりの大きな目
【性格】 興味のある事には饒舌、面倒見はいい方、熟考のフリして実は何も考えてない
【口癖】 「あー……だめかな?」
【備考】 魔術師としては二流だが強運の持ち主
 地方貴族の令嬢で、父親は軍人、母親は名の通った錬金術師
(テンプレは黒歴史スレより借用)

 ただ、このままでは当然使えません。いろいろと触ったりしているうちに出来たのが、リシャール・ド・ラ・クラルテという主人公です。性別も男性に変わっています。

 ただ、これも問題がありました。

 『主人公はルイズのクラスメート兼義兄かつトライアングルのメイジで爵位持ちの貴族』

 ……と書けば一行で済みはするのですが、明らかに説明不足です。
 クラスメートにするにも無理がありすぎるし。
 ではちゃんと説明すればいいじゃないかと書き始めたのが、この「ハルケギニア南船北竜」の発端でした。この時は、たった一行が挿話含めて百話をオーバーするほど膨らむとは思っていませんでした。

 最初も下級貴族の三男坊ではなく、爵位を持った家の生まれでした。ワルド子爵のように、親から爵位と同時に領地を継いでいても家臣に代官的な役割を押しつければ領地から離れても問題ないかもとか、法衣貴族であれば家屋敷だけなのでメイドの二、三人でもいればいいかなとか、色々と考えては消し、消しては肉付けをし、出来上がったのが主人公の原型です。

 その他にも、流行に則って話の出だしはお約束通りの完全なトラック転生テンプレにするとか、逆に流行に反してハーレムにはせずヒロインは一人だけとか、可能な限り主人公視点に固定して話を進めようとか、幾つか決めていましたが後半になると崩れてきた約束事も多く、どちらが良いか書いてから決める(当然、一方は無駄になります)ようなこともありました。
 プロットはもちろん作っていましたが、数話書いては修正といった時期もあり、決めたはずの展開がやはり設定と同じく二転三転して、寝ぼけた頭で間違えることもしばしばで、泣く泣く消したこともいい思い出です。

 しかしほんとに、嘘をつくのは難しい。いつも迷っています。
 でも、このような嘘を考えるのは楽しくて仕方ありませんでした。
 そして、その嘘を包み込んでくれるゼロの使い魔という作品世界の懐の深さも素晴らしい。冒険に魔法に恋に政治劇と数多あるゼロの使い魔SS、そのアプローチの幅が広いことも頷けようと言うものです。

 色々ありますが、今しばらくおつき合いいただけると幸いです。
 続きは数週間から数ヶ月内外で表に出せればいいなと思っていますが、とりあえずは原作と拙作の両方を一から読んで、再構成とチェックと下調べと穴埋めとネタの取りこぼし、それらの忘れ物がないか確かめた上で再度プロットを組立なおして、ハルケギニア南船北竜第二部を開始したいと思います。
 なんといってもブリミル歴6242年フェオの月(4月)、サイトの召喚される原作開始地点までは書こうと決めて、まだそこまではたどり着けていません。
 「少しづつ」、やっていきたいとおもいます。ではまた。

 20110420 棒の人 拝






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