34回映像なんでも観る会

-OUR LIFE—僕らの難民キャンプの日々』上映-

 

 今回は、今春よりアジア・アフリカ地域研究研究科の博士課程に編入された直井里予さんお迎えし、直井さんが昨年発表された『OUR LIFE—僕らの難民キャンプの日々』を観ます。昨年より、日本はアジアで初めて第三国定住制度を導入し、他国で難民となり本国に戻ることができない人々を試験的に受け入れることにしました。その結果20109月には、ビルマを出身とする27名のカレン難民が到着しています。彼らは研修を受けた後、三重県と千葉県で定住生活を開始しましたが、もともとの難民キャンプでは、どのような生活をしていたのでしょうか。また、日本における受入れの現状はどのようになっているのでしょうか。多くの疑問が浮かびます。映像を観た後に、とビルマ難民問題を調査されている久保忠行さん(日本学術振興会特別研究員)にもコメントを頂き、活発に議論できる場にしたいと考えています。事前申し込みは不要です。お気軽にご参加下さい。

 

タイトル:『OUR LIFE-僕らの難民キャンプの日々』

〜そも、汝らの戦いは何処より来るや〜 

日時:2011525()  開場予定:17:30- 上映開始予定:18:00

*当日は615分まで建物裏側にある駐車場に面した入口に、解錠係がおります。それ以降にお越しになる予定の方は、523日までに北村あてにメールを下さい。

場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室

(地域研究統合情報センターと同じ建物内にあります)

http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/access/

主催:京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科東南アジア研究 地域変動論(速水ゼミ)・

「映像なんでも観る会」

連絡先:kitamura@cseas.kyoto-u.ac.jp 東南アジア研究所・北村

映画HPwww.riporipo.com

 

◇撮影・編集・監督  直井里予◇<日本-タイ/2010/85/カレン、ビルマ、英語(日本語・英語字幕)/DVCAM/Color

制作総指揮:瀬戸正夫、野中章弘、吉田敏浩、赤塚順

編集協力:プッサジ・ピパット、秦岳志

コーディネーター・通訳:ノウ・ジュリア 撮影協力:サ・ウィリアム

翻訳・字幕:ソウ・トム、ネイソン・バデノック、ナン・マイ・トン

宣伝協力:チェストパス

製作:直井里予、アジアプレス・インターナショナル

 

<ストーリー>ダラツー君(14歳・小6)は、タイ・ビルマ国境の難民キャンプ生まれのカレン人。将来は、カレン兵士になりカレン民族のために戦いたいというが、中学に入る直前、アメリカ兵士になりたいと言い出す。そして次第に、キャンプに押し寄せる市場経済の波に翻弄されるようになっていく。ウィリアム先生(29歳)は、ビルマ国内生まれのカレン人。12歳の時にタイに移住し、タイのIDを持つが、キャンプの大学に入学。民族独立のためには教育が必要だと、卒業後もキャンプに残り、大学で英語を教えている。お正月休み、先生が援助のために、はじめてビルマ国内避難民のもとへと向かった。ウィリアム先生がそこで見たものとは・・・。

 

<プロフィール>

直井里予(なおい・りよ)1970年茨城県生まれ。ワシントン州立大学コミュニケーション学部修士課程修了。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(後期博士課程)在学中。 アジアプレス・インターナショナル所属(www.asiapress.org)。20012005年にタイ北部にてHIV陽性者のドキュメンタリー映画『Yesterday Today Tomorrow 〜 昨日 今日 そして明日へ・・・』(2005)を製作。台湾国際ドキュメンタリー映画祭2006で「審査員特別賞・アジア部門」を受賞。日本とタイの約100か所で自主上映された。釜山国際映画祭の助成基金受賞作品である続編『アンナの道私からあなたへ・・・』(2009)は、国内一般上映を準備中。著書に『アンナの道—HIVとともにタイに生きる』(岩波書店)がある。新作、『OUR LIFE』は「UNHCR難民映画祭2010」で国内初上映。現在、『バンコク物語(仮)』と『OUR LIFE 2〜故郷(仮)』を制作中。

 

久保忠行(くぼ・ただゆき)1980年、兵庫県に生まれる。2003年、大阪府立大学総合科学部人間科学科を卒業。同年から神戸大学大 学院総合人間科学研究科へ進学。2006年に修士課程を修了し、2011年に同大学院の博士課程を修了(博士・学術)。同年4月から日本学術振興会特別研 究員として京都大学東南アジア研究所に在籍。現在、タイ・ビルマ国境地域と日本の難民に関する人類学的な研究に取り組んでいる。おもな業績に、「ビルマの『国民和解』に関する予備的考察カレンニー社会から」、(『神戸文化人類学研究』、第2号、2008年)、「タイの難民政策――ビルマ(ミャンマー)難民への対応から」(『タイ研究』、 第9号、2009年)、「難民の人類学的研究にむけて――難民キャンプの事例を用いて」(『文化人類学』第75号第1巻、2010年)、「難民キャンプに おける伝統の復興難民キャンプと故郷の連続性」(『南方文化』第37輯、2011年)、『ミャンマー概説』(共著・めこん・近刊)などがある。