「ごめんね。遅くなっちゃって」

 赤坂ブリッツ。
 ライブが終わって一時間。
 まだ火照った顔のが裏口からかけてきた。

「いや、全然待ってないよ」

 そう答えたものの、待っている一時間は一生のように感じるほど長かった。

「でも今からの時間はお客さんの天使じゃなくて、だけの天使になりたい」
「ああ、そうだね。僕が君のオンリーワンさ」
 
 そう。今から二人だけのライブが始まるのだ。